以前取り上げた、斜壁の改修前(左側)と改修後(右側)です。
タイル部分とパラペット天にひび割れが発生していたものを、タイル貼り替えと伸縮目地の新設(右側写真の黒い線状の部分)および樹脂注入補修を行ないました。
パラペットと呼ばれる屋上の立上り壁は、モルタル仕上としていたために日射熱や雨水による浮き・ひび割れが多く発生していました。
そのため、ステンレスピンを併用して発泡エポキシ樹脂を注入し、浮いた部分を下地のコンクリートに留める工法を採用しました。
写真は発泡樹脂を注入しているところです。
以前は人力で充填する工法が主流でしたが、自重でゆっくりと注入することで、より深部まで樹脂を充填することが可能となりました。
写真は手摺壁のひび割れ部における補修状況です。
コンクリート手摺壁のひび割れは、応力(建物の歪み)が集中する部分に発生し、補修後も同じ場所(または近辺)に再発する可能性が高くなっています。
補修方法としては、ひび割れをU字形にカットし、シーリング材(=弾力性があり、コンクリートの収縮に追従できる)を半分程度の深さ充填することで、ひび割れの再発を極力抑え、表面はポリマーセメントモルタルで成型しました。